家を買う前に知っておきたい補助金と税制優遇

相続

牧原 聡美

筆者 牧原 聡美

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住宅を購入する際、国や自治体の補助金・税制優遇をうまく活用できるかどうかで、総支払額は数十万〜数百万円単位で変わります。しかし、制度は数が多く、内容も年ごとに更新されるため、適切な情報を知らないまま損をしてしまう人も少なくありません。
この記事では、住宅購入を検討している人が押さえておきたい主要な補助金・税制優遇をまとめてご紹介します。対象条件や注意点まで解説するので、制度選びの土台としてぜひご活用ください。


目次

  1. 住宅ローン控除(住宅ローン減税)
  2. すまい給付金(終了済み制度)
  3. こどもエコすまい支援事業
  4. ZEH(ゼッチ)補助金制度
  5. 自治体独自の補助金
  6. 税制優遇
  7. 制度の併用関係
  8. まとめ

① 住宅ローン控除(住宅ローン減税)

住宅購入時に最も利用されている制度で、10〜13年間にわたり所得税と住民税の一部が控除されます。

主な条件

  • ・自ら居住する住宅であること
  • ・床面積 50㎡以上(一部の中古住宅は40㎡以上で可)
  • ・省エネ基準への適合が必須(2024年~)
  • ・10年以上の住宅ローンを利用すること

控除のしくみ(2024年基準)

  • ・年末ローン残高 × 0.7% を税額控除
  • ・控除期間:10~13年(住宅性能により変動)
  • ・所得税で控除しきれない分は、住民税から一部控除可

注意点

住宅ローン控除はメリットが大きい制度ですが、条件を満たしていないと適用されません。特に次のような点でつまずく例が多く見られます。

  • ・建物の持分割合とローン返済割合の不一致
    建物の持分割合とローン返済負担が一致していないと、控除の対象外になることがあります。親の土地に建てる場面では特に注意が必要です。
  • ・登記名義とローン契約者が異なる
    建物の所有者(登記名義)と実際のローン返済者が異なる場合、控除が使えなくなります。
  • ・住宅の性能要件を満たしていない
    新築住宅は省エネ基準適合が必須で、証明取得が欠かせません。中古住宅も耐火性・省エネ性・築年数など独自要件があり、基準を満たさないと適用外です。
  • ・床面積の基準不足(50㎡未満)
    平屋やコンパクト住宅では意外と発生しやすいポイントです。

→購入・建築前に要件を確認しておくことで、控除のメリットを最大限活用できます。


② すまい給付金(終了済み制度)

以前は多くの家庭が利用した制度ですが、2021年末で受付終了しています。現在もネット上に情報が残っているため誤解しがちですが、新規申請はできません。
現在は「こどもエコすまい支援事業」などが代替制度として位置づけられています。


③ こどもエコすまい支援事業(※年度により変動)

エネルギー効率の高い住宅の新築やリフォームを支援する制度で、毎年人気が高く早期に予算が埋まりやすいのが特徴です。

新築の補助額

  • 100万円 / 戸(基準を満たす省エネ住宅)

リフォームの補助額

  • ・最大30〜60万円程度(世帯により異なる)
  • ・断熱・省エネ改修、耐震・バリアフリーなどが対象

対象となる世帯

  • ・子育て世帯(18歳以下の子がいる家庭)
  • ・若者夫婦世帯(夫婦のどちらかが39歳以下)

注意点

  • ・着工前の申請が必須
  • ・登録事業者(ハウスメーカー・工務店)による申請が必要
  • ・制度内容が毎年更新されるため、最新情報の確認が不可欠

④ ZEH(ゼッチ)補助金制度

ZEH(ゼロエネルギー住宅)は「使うエネルギー ≦ つくるエネルギー」を実現する住宅で、光熱費が下がり資産価値も維持しやすいとされています。

補助額の目安

  • ・ZEH:55万円
  • ・ZEH+:100万円
  • ・太陽光発電・蓄電池の追加補助もあり

ZEHのランク

  • ・ZEH:高断熱+太陽光
  • ・ZEH+:さらに省エネ設備を強化
  • ・Nearly ZEH:基準に近い性能

注意点

  • ・ZEHビルダー(登録事業者)で建築する必要あり
  • ・太陽光の投資回収は地域により差が出る

⑤ 自治体独自の補助金

国の制度に加えて、市区町村ごとに独自の補助金が用意されている場合があります。

よくある自治体補助の例

  • ・中古住宅購入+リフォーム補助
  • ・三世代同居・近居支援(30〜100万円)
  • ・移住・定住促進補助金
  • ・バリアフリー改修補助

自治体の制度は毎年更新され、予算枠が数週間で終了することもあります。
国の制度と併用できるケースもあるため、建築予定地の自治体制度は必ず確認しておきましょう。


⑥ 税制優遇

不動産取得税の軽減

例:
(固定資産税評価額 − 控除額)× 3% 新築は控除額が大きく、中古でも一定条件で軽減されます。

登録免許税の軽減

所有権保存・移転登記、抵当権設定登記に軽減制度あり。

固定資産税の軽減

新築住宅は3年間(長期優良住宅は5年間)半額に。4年目以降税額が上がるため、維持費の把握が重要です。


⑦ 制度の併用関係

  • ・住宅ローン控除 × ZEH補助 → 併用可
  • ・フラット35(S) × こどもエコすまい → 併用可
  • ・自治体補助 × 国の補助 → 多くは併用可(ただし要確認)

→ 申請のタイミングや契約日の順番により、併用できなくなることがあるため、早めの確認が欠かせません。


⑧ まとめ

住宅購入は、制度を正しく使えるかどうかで最終費用が大きく変わります。制度の要件は複雑で、毎年内容が変わるものも多いため、早い段階での情報整理が重要です。

特に、

  • ・名義
  • ・住宅性能の基準
  • ・着工前の申請タイミング
  • ・併用可否の確認

を誤ると制度が使えなくなることもあります。制度の選択に不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、最適な制度設計を進めることをおすすめします。

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