高齢者が使える住宅ローン|フラット35とリバースモーゲージの特徴と注意点

相続

牧原 聡美

筆者 牧原 聡美

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何かご心配事やご不安なことがありましたらいつでもお気軽にご相談ください。

高齢期の住まいづくりには、建替え・住み替え・同居の準備などさまざまなニーズがあります。 

しかし、年齢が上がると「住宅ローンは難しいのでは?」という不安から、計画そのものを諦めてしまう方も少なくありません。
実際のところ、民間銀行では完済年齢の制限が厳しく、団信(団体信用生命保険)の加入基準も厳しくなるため、選べるローンは確かに限られてきます。一方で、フラット35やリバースモーゲージなど、高齢者でも利用しやすい制度は確実に存在します。
この記事では、それぞれの仕組み・メリット・落とし穴、そして相続や名義との関係まで含めて、実務でよく相談されるポイントをわかりやすく解説します。



目次

  1. ① フラット35とは? 高齢者でも利用しやすい理由
  2. ② フラット35のメリット・デメリット
  3. ③ リバースモーゲージとは?
  4. ④ リバースモーゲージのメリット・デメリット
  5. ⑤ フラット35とリバースモーゲージ、どちらを選ぶべき?
  6. ⑥ まとめ 老後の住まいづくりは「資金」と「相続」まで含めて考えることが大切

① フラット35とは? 高齢者でも利用しやすい理由

フラット35は、住宅金融支援機構が提供する「長期固定金利ローン」です。民間銀行に比べて高齢者でも利用しやすい最大の理由は、主に次の3点です。

返済期間が確保しやすい

  •  民間銀行:完済年齢80歳前後が目安 → 返済期間が短くなり月額負担が重くなる
  •  フラット35:申込時70歳未満なら最長35年返済も可能

返済期間に余裕を持てるため、月々の負担を抑えやすいのが特徴です。

団信加入が必須ではない

通常の住宅ローンは原則として団信への加入が必須ですが、フラット35では任意です。そのため、健康状態に不安がある人でも利用しやすくなります。
ただし、団信に加入しない場合は、万一の際に残債が相続人へ引き継がれるため、家族での事前確認が欠かせません。

審査基準が比較的柔軟

  • ・年齢よりも「返済負担率(年収に対する返済割合)」を重視
  • ・預貯金などの資産評価も採用
  • ・年金収入・パート収入など多様な収入形態に対応

② フラット35のメリット・デメリット

 メリット

  • ・長期固定金利で返済が安定する
  • ・団信への加入に不安がある人でも利用しやすい
  • ・返済期間の選択肢が広い
  • ・年齢基準のハードルを越えやすい

 デメリット

  • ・民間銀行に比べ金利が高め
  • ・団信未加入だと相続人の負担が重くなる
  • ・物件が一定の技術基準(断熱・耐震)を満たす必要がある
  • ・頭金ゼロでの借入が難しい場合がある

健康状態に不安があり、団信の審査が通りづらい人にとっては、有効な選択肢になりうる制度です。


③ リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージは、自宅を担保にお金を借り、亡くなったタイミングまたは契約終了時に自宅売却などで返済する仕組みです。

主な特徴

  • ・返済は利息のみ、または返済不要のタイプもある
  • ・自宅に住み続けながら資金を確保できる
  • ・住み替えや介護費用にも利用可能
  • ・概ね60歳以上が対象(金融機関によって基準は異なる)

④ リバースモーゲージのメリット・デメリット

 メリット

  • 毎月の返済負担が軽い
  • 自宅に住み続けながら資金を確保できる
  • 生活費・リフォーム費・介護費など幅広い用途に使える

 デメリット

  1. ・金利上昇のリスク
    金利が上がり続けると、借入残高が増え、将来的に自宅の売却金額では返しきれない(担保割れ)可能性があります。
  2. ・地価下落リスク
    地価が下がると担保価値が不足し、途中で「追加担保の提供」や「契約の見直し」を求められることがあります。
  3. ・相続時に自宅が残らない可能性
    自宅売却で返済する仕組みのため、「実家を残したい」というニーズがある家庭には向きません。
  4. ・利用できる地域が限られる
    地方だと担保価値が弱く、取り扱い不可のケースも多くなります。

老後資金を確保したいが返済負担は増やしたくないという家庭には向く一方、担保価値が不安定な地域では利用できないことも多い制度です。


⑤ フラット35とリバースモーゲージ、どちらを選ぶべき?

判断のポイントになるのは次の4点です。

  • ・健康状態(団信に入れるか)
  • ・年金収入や貯蓄など、老後資金の状況
  • ・自宅を相続対象として残したいか
  • ・将来住み替えの可能性があるか

 フラット35が向いている人

  • ・自宅を家族に残したい
  • ・固定金利で安定した返済を希望している
  • ・団信加入が可能、または健康状態に大きな問題がない

 リバースモーゲージが向いている人

  • ・返済負担を増やしたくない
  • ・老後の生活費を確保したい
  • ・子どもが独立しているなど、自宅を相続する必要がない

⑥ まとめ 老後の住まいづくりは「資金」と「相続」まで含めて考えることが大切

高齢期の住まい選びでは、ローンの種類によって将来の選択肢が大きく変わります。フラット35のように返済期間をしっかり確保できる制度もあれば、リバースモーゲージのように自宅を活用して資金を確保する制度もあります。
どちらを選ぶかで、将来の生活・相続・資産の残し方が大きく変わることになります。

特にリバースモーゲージは利率や担保価値の影響を受けやすく、利用前の理解が欠かせない制度です。一方で、フラット35は安定した返済計画を立てやすく、高齢期の住まいの確保に役立つ場面が少なくありません。

老後の住まいは、家計・介護・相続と深く関わるテーマです。判断が難しい場合や不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、家族の将来像に合わせた方法を検討していくことをおすすめします。

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